買付証明書とは?
〜「出したらもう契約?」と勘違いしやすい書類の正体〜
不動産を買おうとしたとき、最初に登場する書類が「買付証明書(購入申込書)」です。
名前だけ聞くと、「これを出したら、もう後戻りできないのでは…?」と不安になる方も多いかもしれません。
ですが実は、買付証明書は“契約書”ではありません。
役割を正しく理解していないと、思わぬ誤解やトラブルにつながることもあります。
今回は、
「買付証明書って何?」
「法的な効力はあるの?」
「手付金とはどう違うの?」
といった疑問を、できるだけやさしく整理していきます🙂
不動産取引における買付証明書(申込書)と売買契約書の違い
Q1. 買付証明書とは?
A. 購入の意思と希望条件を伝えるための“意思表示の書面”です
買付証明書(購入申込書)とは、
「この物件を、この条件で買いたいです」
という買主の意思を、売主に伝えるための書面です。
✔ 希望価格
✔ 引渡し時期
✔ ローン利用の有無
などが記載され、通常は仲介業者を通じて提出されます。
ここで大事なのは、
法律で提出が義務づけられている書類ではない
という点です。
あくまで実務上の慣習として使われている書面になります。
Q2. 買付証明書に法的拘束力はありますか?
A. 原則として、法的な拘束力はありません
買付証明書を提出しても、
それだけで売買契約が成立することはありません。
つまり、
・提出後に考え直す
・事情が変わってキャンセルする
といったことも、契約前であれば可能です。
実際の裁判例でも、
「買付証明書や売渡承諾書のやり取りだけでは契約は成立しない」
という判断が一貫して示されています。
ただし、「何をしても自由」というわけではありません⚠️
(この点は後ほど解説します)
Q3. 買付証明書を出すと、物件はどう扱われる?
A. 一時的に「商談中」扱いになるのが一般的です
買付証明書が提出されると、
多くの不動産会社ではその物件を 「商談中」 として扱います。
これは、
・売主が条件検討に入る
・他の購入希望者の案内を止める
といった対応を取ることが多いためです。
そのため、
「とりあえず押さえておこう」
という軽い気持ちでの提出は要注意。
正当な理由なく突然キャンセルすると、
「契約締結上の過失(信頼関係を壊した)」として、
実費程度の損害賠償を求められる可能性が指摘されています。
Q4. 申込証拠金や手付金とはどう違うの?
A. 金額・タイミング・拘束力がまったく違います
よく混同されるのが、
申込証拠金(申込金) と 手付金 の違いです。
・申込証拠金
→ 買付証明書と同時に預けることがある少額の金銭
→ 契約不成立なら原則返還
→ 法的拘束力はほぼなし
・手付金
→ 売買契約締結時に支払う
→ 売買代金の5〜10%が一般的
→ 契約解除時のペナルティに直結
つまり、
「本当に重いのは契約書+手付金の段階」
ということです。
まとめ 🌱
買付証明書は、
✔ 契約書ではない
✔ 法的拘束力は原則ない
✔ ただし、軽い気持ちで出すとトラブルの芽になる
という、立ち位置がとても大事な書類です。
不動産取引は金額も大きく、
一つ一つのステップに意味があります。
「今はどの段階なのか?」を意識しながら、
不安な点は早めに仲介業者へ確認して進めることが、
後悔しない取引への近道です🙂
