共働き時代の家づくりとは?
「家事ラク設備」より先に考えたい、これからの住まい方
共働き世帯が当たり前になった今、家づくりの考え方も変わりつつあります。
「洗濯をラクにしたい」
「大きなファミリークローゼットが欲しい」
「在宅勤務用の書斎も必要?」
「共働きだから、少し高い家でも大丈夫?」
どれも自然な考えです。
ただ、本当に大切なのは「共働きに便利な家」をつくることなのでしょうか。
実はこれから必要なのは、
🏠 今の暮らしにぴったりの家
ではなく、
🏠 働き方や家族構成が変わっても暮らし続けられる家
なのかもしれません。
2025年には、夫婦とも雇用者の世帯が1,333万世帯に対し、夫が雇用者・妻が非就業の世帯は476万世帯。共働きは、もはや一部の家庭の話ではありません。
今回は「共働き時代の家づくり」について、これまでの常識を少し見直してみます。
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Q1. 共働きなら「家事ラク間取り」にすればいい?
A. 大切なのは「距離」より「家事の工程を減らすこと」です。
共働き住宅でよく聞くのが、
・回遊動線
・ランドリールーム
・ファミリークローゼット
・大型食洗機
・乾燥機
といった「家事ラク」の工夫です。
もちろん、どれも上手に使えば便利です。
でも、設備や部屋を増やすこと自体が目的になってしまうと、家はどんどん大きくなり、建築費も増えていきます。
そこで考えてほしいのが、
「この家事は、何工程で終わるだろう?」
という視点です。
たとえば洗濯なら、
洗濯機
↓
ベランダへ運ぶ
↓
干す
↓
取り込む
↓
たたむ
↓
各部屋へ運ぶ
よりも、
洗う
↓
乾かす
↓
隣の収納へしまう
という方が、圧倒的に工程が少なくなります。
👉 「部屋を増やす」より「工程を減らす」
これが、これからの家事動線の考え方です。
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Q2. ファミリークローゼットは大きいほど便利?
A. 「収納量」より「戻しやすさ」を考えてみましょう。
大きな収納があると安心しますよね。
ところが、
「収納はたくさんあるのに、なぜかリビングに物があふれる」
という家もあります。
原因のひとつは、
収納場所が「使う場所」から遠いことです。
たとえば、
🚪 玄関
靴・上着・バッグ・雨具・保育園用品
🧺 洗面・ランドリー
タオル・下着・洗剤・ハンガー
🍳 キッチン
食品・調理家電・ゴミ用品
🛋 LDK
学校用品・薬・書類・充電器
💻 ワークスペース
PC・文房具・仕事用品
というように、使う場所の近くに収納を配置します。
毎日使う物ほど、
「取りやすい」
「戻しやすい」
ことが重要です。
大きな収納を一つつくるより、小さな収納を適切な場所に配置した方が、暮らしやすいケースもあります。
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Q3. 共働きなら「書斎」は必要?
A. テレワークの頻度によって変わります。
これから家を建てるなら、
「在宅勤務に備えて書斎をつくっておこう」
と考える人も多いでしょう。
ただし、テレワークのスタイルは家庭によってかなり違います。
たとえば、
🏠 週4〜5日在宅
→ 独立した書斎があると便利
🏠 週2〜3日在宅
→ 半個室+音を遮れる空間
🏠 月に数回程度
→ LDK近くの可変ワークスペース
という考え方もできます。
そして意外と重要なのが「広さ」ではありません。
優先したいのは、
👉 安定したWi-Fi・有線LAN
👉 コンセント
👉 WEB会議で映る背景
👉 音を遮れる場所
👉 照明
です。
夫婦二人が同時にオンライン会議をする可能性があるなら、
「広い書斎を1室」
より、
「小さな仕事場所を2か所」
の方が使いやすいこともあります。
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Q4. 共働きなら駅近を選んだ方がいい?
A. 「駅まで何分?」だけではなく、家族全員の移動時間で考えましょう。
夫婦とも電車通勤なら、駅近は大きなメリットがあります。
毎日の通勤時間が10分短くなれば、
往復20分 × 週5日。
年間で考えると、かなり大きな時間になります。
ただし、
「共働き=駅近が正解」
とは限りません。
考えたいのは、
・夫婦それぞれの通勤
・保育園への送迎
・学校や習い事
・買い物
・実家や介護先への移動
・車が必要かどうか
・テレワークの頻度
などです。
郊外の土地が安くても、
🚗 車が2台必要
🚗 毎日の送迎が必要
🚗 通勤時間が長い
となれば、家の価格以外の「お金」と「時間」が増えます。
反対に、ほとんど在宅勤務なのに高額な駅前立地を選ぶと、立地に払った費用を十分活用できないこともあります。
だからこそ、
「駅徒歩○分」
ではなく、
「家族全員が1週間に何時間移動するのか」
まで考えてみることが大切です。
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Q5. 共働きなら住宅ローンを多めに借りても大丈夫?
A. 「二人とも今の収入で働き続ける」とは限りません。
共働きになると世帯年収が上がり、金融機関から提示される借入可能額も大きくなる場合があります。
そこで注意したいのが、
「借りられる金額」と「安心して返せる金額」は違う
ということです。
住宅を購入した後には、
・出産
・育児休業
・時短勤務
・転職
・病気や休職
・親の介護
・金利上昇
などが起こる可能性があります。
そこで住宅ローンを考えるときは、
① 今の収入
② どちらかが時短勤務
③ 片方が一定期間働けない
④ 住宅ローン負担が増える
といったケースでも家計が維持できるか確認しておくと安心です。
👉 共働きだから「借入額を増やす」
ではなく、
👉 共働きだからこそ「片働きになった場合まで考える」
という発想が重要です。
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Q6. 新築なら住宅性能は十分?
A. 「法律を満たしている=高性能」ではありません。
2025年4月から、原則すべての新築住宅で省エネ基準への適合が義務化されました。
ただし、ここで注意したいのは、
「省エネ基準を満たしているから、かなり高性能」
とは限らないことです。
法律上の基準は、あくまで最低ラインです。
住宅を選ぶときには、
・断熱性能
・省エネ性能
・耐震性
・耐久性
・長期優良住宅
・ZEH水準
・GX水準
なども比較してみる価値があります。
共働き家庭では、家にいる時間が短いから性能は低くてもいい、という考え方もあります。
しかし、
子どもが生まれる
在宅勤務が増える
高齢になり家にいる時間が増える
こともあります。
家は30年前後使うもの。
「今の生活時間」だけで住宅性能を決めないことも大切です。
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🏠 共働き住宅で考えたい7つの優先順位
家づくりでは、設備カタログを見ると楽しくなります。
でも、まず確認したいのは設備よりこちらです。
① 土地・災害リスク
洪水・土砂災害・津波・盛土などを確認する。
↓
② 無理のない予算
片働きや時短勤務になっても維持できるか考える。
↓
③ 住宅の基本性能
断熱・耐震・耐久性など、後から変更しにくい部分を優先する。
↓
④ 家事・収納動線
歩く距離だけでなく、家事そのものの工程を減らす。
↓
⑤ 可変性
子ども・仕事・介護などに合わせて部屋の使い方を変えられるようにする。
↓
⑥ 省エネ・防災設備
太陽光・蓄電池などは、自分たちの生活スタイルに合わせて判断する。
↓
⑦ 便利設備
スマートホームや人気設備は、本当に使うものを選ぶ。
こうした順序で考えると、
「便利設備にお金をかけすぎて、基本性能や予算を削ってしまった」
という失敗を防ぎやすくなります。
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💡 そして、もう一つ大切なこと
共働き住宅というと、
「妻の家事を楽にする家」
という考え方がまだ残っています。
ですが、これから考えたいのは、
「誰でも家事ができる家」
です。
たとえば、
・どこに何があるか家族全員が分かる
・夫婦が同時にキッチンを使える
・洗濯物を誰でも収納できる
・子どもも自分の物を片付けられる
・家事を途中で交代できる
という家です。
6歳未満の子どもがいる家庭では、2021年時点でも家事関連時間に夫婦間で大きな差がありました。だからこそ「一人が効率よく家事をする家」から「家族が家事を共有しやすい家」へ考え方を変えることが重要になっています。
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まとめ|共働き時代の家は「変化できる家」
共働き住宅というと、
🏠 駅近
🏠 広いLDK
🏠 ランドリールーム
🏠 ファミリークローゼット
🏠 食洗機
🏠 書斎
🏠 スマートホーム
などが注目されます。
もちろん、どれも便利な選択肢です。
でも、
「共働き世帯に人気だから」
という理由だけで採用する必要はありません。
大切なのは、
今の暮らしだけに合わせすぎないこと。
仕事が変わる。
子どもが成長する。
テレワークが増える。
親の介護が始まる。
収入が変わる。
家族の人数も変わる。
そんな変化が起きても、大きな改修をせず暮らし方を変えられる。
それこそが、これからの「共働き時代の家づくり」ではないでしょうか。
🏠 固定された家族像に家を合わせるのではなく、
「変化する家族に、家が合わせ続けられるようにする。」
便利な家より、
長く暮らし方を変えられる家。
家づくりを始めるときは、ぜひ「今」だけでなく「10年後、20年後の変化」まで想像してみてください。
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