越境されたときはどうする?
気がつくと、お隣のブロック塀が自分の敷地に少し入っている…
あるいは、屋根のひさしからの雨水が自分の土地に落ちてくる…。
こうした“越境トラブル”は、多くのご家庭で起こりうる身近な問題です。
越境があると、土地や建物の売買時に大きな支障が出たり、隣人との関係が悪化してしまうこともあります。いざというとき慌てないためには、法律のしくみと、冷静な対処のステップを知っておくことが大切です。
この記事では、民法234条・235条の基本ルールを踏まえながら、越境されたときにどう対応すればよいかを、やさしく整理していきます。
心配な境界のモヤモヤを、すっきりほどいていきましょう😊
Q&A
Q1. そもそも「越境」とは?
A. 本来は自分の土地にあるべき物が、境界を越えて隣地に入り込むことです。
ブロック塀・フェンス・屋根のひさし・雨樋・樹木の枝や根などが境界を越えると「越境」にあたります。越境は土地所有権の侵害となり、放置すると売買時にトラブルの原因にもなります。悪意でなく経年変化や施工ミスで起きる例も多く、まずは“事実確認”が最初のステップです。
Q2. 越境された場合、すぐに撤去を求められますか?
A. 法律上は可能ですが、まずは「境界の確認」と「話し合い」が大切です。
民法では、所有者は土地に対する侵害を排除する権利(妨害排除請求)があり、越境物の撤去を求めることができます。ただし、いきなり「撤去してください!」と言ってしまうと関係がこじれる原因にも。
実務では、
・測量図・境界杭による境界確認
・写真や図面の共有
・穏やかな説明と相談
を経て、撤去・移設・将来の是正など、現実的な合意を目指します。
Q3. ブロック塀が越境しているときの対応は?
A. 境界上なのか、あなたの敷地側に入り込んでいるかで異なります。
● 境界線上にある塀
法律上は“共有物”と推定され、勝手に壊したり動かすことはできません。双方の合意が必要になります。
● 自分の敷地に入り込んでいる塀
隣地の工作物が不法に占有している状態です。
撤去・移設依頼のほか、
・将来撤去の約束
・使用を認める覚書
・地役権設定
などが選択肢になります。
合意した内容は**書面化(覚書)**しておくと、後のトラブル防止に効果的です。
Q4. 屋根のひさしや雨樋が越境しているときは?
A. 法律上は越境禁止ですが、現実的には“改善策の提案”が効果的です。
屋根のひさしは簡単に移動できず、大きな工事になるため、いきなり撤去を求めても解決しにくいのが実情です。まずは「雨の日の状況の記録(写真・動画)」を行い、被害の程度を把握します。
そのうえで、
・雨樋の設置や延長
・排水方向の調整
・ひさし部分への簡易的な処置
など、実行しやすい対策を提案することが多いです。被害が軽微な場合は“社会生活上の受忍限度”として、一定の配慮のもと共存する判断もあります。
Q5. 隣人が話し合いに応じてくれない場合は?
A. 調停・法律相談など第三者の力を借りる方法があります。
・土地家屋調査士会の境界相談センター
・法テラス・弁護士会の法律相談
・簡易裁判所の民事調停
これらを活用すれば、中立的な立場からの助言や和解のサポートが得られます。裁判は費用と時間がかかり、関係も悪化しやすいため“最後の手段”と考えるのが現実的です。
まとめ
越境トラブルは、感情的になりやすいテーマですが、実際には境界確認→話し合い→合意→書面化という手順で冷静に進めることが円満解決の近道です。民法234条・235条のルールを知ることは大事ですが、もっと重要なのはお互いの配慮と誠意ある対話です。
気になる越境がある場合は、まず現状を丁寧に確認し、早めに専門家へ相談してみましょう😊
