耐震基準はいつ改正された？
地震が多い日本では、「この家は地震に強いのかな？」と気になる方も多いですよね。
実は、建物の“耐震基準”は時代とともに何度も見直されてきました。
中でも大きな転換点となったのが 1981年（昭和56年）6月1日 の改正です。
この改正を境に「旧耐震」と「新耐震」という言葉が生まれ、
建物の安全性に大きな差が生まれました。
今回は、この耐震基準の改正がいつ・なぜ行われたのかを、やさしく解説します🔍
Q1. 耐震基準はいつ改正されたの？
🧩 A. 最大の改正は 1981年6月1日 です。
この日、建築基準法施行令が大幅に改正され、
「旧耐震基準」から「新耐震基準」へと切り替わりました。
それ以前（1981年5月31日まで）に建築確認を受けた建物が旧耐震、
以後が新耐震の建物です。
この改正では、地震の揺れを 「中地震」と「大地震」 に分け、
それぞれに異なる安全目標を設定する「二段階設計」が導入されました。
これにより、人命を守るための設計思想が確立されたのです。
Q2. なぜ1981年に改正されたの？
🌋 A. きっかけは 1978年の宮城県沖地震 でした。
この地震で旧耐震基準の建物が多数倒壊し、多くの命が失われました。
その被害を受けて、建物の「粘り強さ（靱性）」を重視する考え方が生まれ、
1981年改正につながりました。
つまり、単に“強い建物”を目指すのではなく、
大きく揺れても倒れにくい構造を確保することが目的となったのです。
Q3. 旧耐震と新耐震の違いは？
🏗️ A. 一言でいえば「設計の考え方」がまったく違います。
旧耐震は「倒壊しないこと」を目的に、強度中心の設計でした。
一方、新耐震では「中地震で損傷しない」「大地震で命を守る」という
性能目標を明確化。
さらに、建物全体の変形やエネルギー吸収を考慮した
「保有水平耐力計算」が導入されました。
この違いにより、1981年以降の建物は地震時の被害が大きく減少しています。
Q4. その後も改正はあったの？
🪵 A. はい、2000年にも大きな改正がありました。
1995年の阪神・淡路大震災で、木造住宅の接合部（柱や梁のつなぎ目）の弱さが問題となり、
2000年改正で金物補強が義務化されました。
これにより、現在の木造住宅は「1981年基準」よりもさらに強く、
「2000年基準」と呼ばれる新しい水準に達しています。
Q5. 自分の家はどの基準なの？
🏡 A. 建築確認の日付で見分けられます。
📅 1981年5月31日以前 → 旧耐震
📅 1981年6月1日〜1999年まで → 新耐震（昭和56年基準）
📅 2000年以降 → 現行耐震（平成12年基準）
旧耐震の建物は、耐震診断や改修工事に補助金・減税が利用できる場合があります。
市区町村の窓口に相談してみましょう✨
🧱 まとめ
耐震基準は、1981年に大きく改正され、
その後も地震の経験を経て進化してきました。
旧耐震の建物をお持ちの方は、まず 建築確認日 をチェックしてみてください。
必要に応じて 耐震診断や補強工事の検討 を進めることで、
家族と資産を守る第一歩になります💪🏽