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【空き家の管理】無断で住みつかれた!? 不法占拠への正しい対応と予防策とは

2024.5.16

空き家を放置していたら、知らない人が住みついていた――。
そんな衝撃的な事態が、実際に全国各地で起きています。
「そのうち活用しよう」と思っている空き家、きちんと管理されていますか?

この記事では、空き家に無断で住まれてしまった場合の対応方法や、今すぐできる予防策を解説します。

❓Q. 誰かが無断で住みついていたら、どうすればいい?

  1. 基本は「法的に対応する」こと。自己判断で追い出すのはNGです!

無断居住(=不法占拠)が疑われる場合、警察や弁護士などの専門家に相談し、法的手続きを進めるのが鉄則。
自己判断で荷物を撤去したり鍵を替えたりすると、逆に「不法行為」として訴えられるリスクがあります。

① まず確認したいポイント

✅ 契約が存在していないか?

  • 昔、親戚や知人に口約束で貸していた…
  • 前の所有者が許可していた…

などの可能性がないかを確認しましょう。
完全に身に覚えがなく、家賃の支払いもないようなら、不法占拠の可能性が高いです。

✅ 正当な利用権の有無

  • 借地借家法に守られている“賃借人”なのか?
  • それとも単なる“侵入者”なのか?

鍵の破壊や窓からの侵入といった痕跡があれば、住居侵入罪などの刑事事件になる可能性もあります。

 

② 実際の対応手順

  1. 警察へ相談

違法な侵入が明らかな場合は、まず警察へ。
現場確認や事情聴取を行ってくれることがあります。
ただし、民事上の貸借トラブルと判断された場合、警察では対処できないことも。

  1. 弁護士に相談

「自己救済の禁止」により、勝手に追い出すのは違法行為。
弁護士を通じて、民事訴訟による明渡し請求など、正規の手続きを進めましょう。

  1. 内容証明郵便による退去通知

相手の情報が分かる場合は、「○月○日までに退去を求める」旨を内容証明で通知します。
これにより、裁判の際の証拠にもなります。

  1. 裁判→強制執行へ

相手が応じない場合は、訴訟によって明渡し請求を行い、勝訴後に強制執行を行う必要があります。
時間も費用もかかるため、早めの対応が重要です。

 

③ 放置しないことが最大の防御

❗ 長期間の居住で権利主張されるケースも

不法占拠が長引くと、「ずっと住んでいた」「居住の意思があった」といった主張で、問題がさらに複雑化してしまうことも。

❗ 管理責任を問われるリスク

放置空き家がトラブルの原因となった場合、周囲から「管理責任を果たしていない」と見られる可能性もあります。
最悪、「特定空き家」に指定されて行政から指導が入ることも…。

④ まとめ:無断居住を防ぐために、日頃の管理がカギ!

  • 無断居住(不法占拠)には法的手続きで対応を。
  • 自力で排除するのは逆効果。必ず専門家に相談を。
  • 普段からの管理・巡回・鍵の交換・防犯対策を徹底しましょう。

「空き家は、人が住んでいないからこそ狙われる」

空き家の安全と資産価値を守るためには、“人が関わり続けること”が何よりの対策です。
「うちは大丈夫」と油断せず、ぜひ今日からできる管理を始めてください。

 

執筆者:空き土地家屋調査士 山田大貴

 

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