株式会社マルニ

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家の「傾き」はどこまで問題?

2026.10.12

中古住宅を見ていると、

「なんとなく床が斜めな気がする…」

と感じることがあります。

ドアが勝手に閉まる。
窓が少し開けにくい。
床に置いた物が一方向へ転がる。

こんな症状があると、

「この家、傾いているのでは?」

と不安になりますよね。

でも実は、家の傾きは

「少しでも傾いていたら危険」

という単純な話ではありません。

大切なのは、

👉 どのくらい傾いているのか
👉 家のどこが傾いているのか
👉 なぜ傾いたのか
👉 今も傾きが進んでいるのか

を確認することです。

今回は、中古住宅を購入するときに知っておきたい「家の傾き」について、できるだけ分かりやすく整理します。

Q1. そもそも家はなぜ傾くの?

A. 地盤だけでなく、基礎や建物の劣化なども原因になります。

家が傾く代表的な原因のひとつが「不同沈下」です。

不同沈下とは、

建物全体が均等に沈むのではなく、一部分だけが大きく沈んでしまう状態

のことです。

たとえば、

・もともと軟弱な地盤だった
・盛土の締固めが十分ではなかった
・建物を支える地盤の強さが場所によって違った
・地下水の変化があった
・周辺で造成や掘削が行われた

といった原因で起こることがあります。

ただし、家の傾きは地盤だけが原因とは限りません。

ほかにも、

・基礎のひび割れや劣化
・柱や梁などの変形
・木材の腐朽
・シロアリ被害
・施工時の水平精度
・過去の地震による損傷
・排水不良による地盤への影響

などが関係することがあります。

つまり、

「家が傾いている=地盤改良が必要」

とは限らないということです。

Q2. どのくらい傾いていたら問題なの?

A. 「6/1000」がひとつの確認目安になります。

住宅の傾きは、

「1000分の○」

という数字で表されることがあります。

たとえば、

「6/1000」

であれば、

1m進んだときに約6mmの高低差がある

という意味です。

つまり、10mなら単純計算で約6cmの高低差になります。

既存住宅を調査するときには、

「6/1000以上」

という数字が、著しい傾斜がないかを確認するひとつの目安として使われています。

ただし、

⚠ 5/1000なら安全

⚠ 6/1000なら危険

というように、数字だけで機械的に判断するものではありません。

実際には、

・傾いている範囲
・傾きの方向
・基礎の状態
・壁のひび割れ
・建具の不具合
・過去から傾きが進行しているか

などを合わせて確認する必要があります。

Q3. 「床が傾いている」と「家全体が傾いている」は違う?

A. 大きく違います。

ここは中古住宅を見るうえで非常に重要です。

たとえば、床だけが少し傾いている場合、

床下の束や根太などの不具合によって、部分的に床が沈んでいる可能性があります。

一方、

・床
・柱
・壁
・窓
・基礎

などが同じ方向へ傾いている場合は、建物全体や地盤が影響している可能性があります。

つまり、

「床が傾いている」

というだけでは、

建物全体が不同沈下しているとは限りません。

逆に、

複数の場所で同じ方向への異常が出ている場合は、注意が必要です。

Q4. 内見するとき、自分で確認できることはある?

A. 専門家でなくても「異変」に気づくことはできます。

中古住宅を内見するときは、次のポイントを確認してみてください。

🚪 ドアや引き戸

ドアを途中まで開けて、手を離してみます。

勝手に開いたり閉じたりする場合は、床や建具枠が傾いている可能性があります。

🪟 窓・サッシ

・窓が開きにくい
・鍵が掛かりにくい
・サッシに隙間がある

といった場合は、建物に歪みが出ている可能性があります。

🏠 壁や基礎

特に注意したいのが、

「斜め方向のひび割れ」

です。

もちろん、ひび割れがあるだけで不同沈下とは判断できません。

ただし、

床の傾きと斜めのひび割れが同時に確認できる場合は、より詳しく調べた方が安心です。

🚿 水回り

洗面台や浴室などで、水が不自然に一方向へ溜まっていないか確認します。

床そのものが傾いている場合、水の流れ方にも影響が出ることがあります。

👣 歩いた感覚

部屋の中をゆっくり歩いてみるのも大切です。

「片側に引っ張られる感じがする」

「少し酔うような感覚がある」

など、体が違和感を覚えるケースもあります。

Q5. ビー玉を転がせば傾きは分かる?

A. 参考にはなりますが、それだけで判断するのは危険です。

家の傾きを調べる方法として、

「床にビー玉を置いて転がるか確認する」

という話を聞いたことがあるかもしれません。

確かに、簡単なチェック方法のひとつです。

ただし、床にはもともとの施工誤差や仕上げ材の凹凸もあります。

そのため、

ビー玉が転がった
=
家全体が危険なほど傾いている

とは限りません。

あくまで、

「詳しく確認するきっかけ」

として考えた方がよいでしょう。

Q6. 家が傾くとどんな問題が起こる?

A. 建具だけでなく、建物全体に影響する場合があります。

傾きが大きくなると、

・ドアや窓が開閉しにくくなる
・壁や天井にひび割れが出る
・床が傾く
・家具が不安定になる
・水が一方向に溜まる
・排水の流れが悪くなる
・配管に負担がかかる

といった問題が起こる可能性があります。

さらに建物が歪むことで、

サッシや外壁などに隙間ができ、

雨漏りにつながる可能性もあります。

傾きそのものだけでなく、

「傾きによって別の不具合が起きていないか」

を見ることも重要です。

Q7. 傾いている家は買わない方がいい?

A. 「傾いている=即NG」とは限りません。

中古住宅では、

傾きが確認されたからといって、必ず購入を諦める必要があるわけではありません。

たとえば、

・傾きが軽微
・原因が分かっている
・現在は進行していない
・補修方法が明確
・補修費用を把握できている

という住宅であれば、購入を検討できる場合があります。

反対に慎重になった方がよいのは、

⚠ 原因が分からない

⚠ 傾きが進行している可能性がある

⚠ 基礎にも大きなひび割れがある

⚠ 複数の建具に異常がある

⚠ 壁や柱にも大きな歪みがある

⚠ 地盤そのものに問題がある可能性が高い

といった住宅です。

中古住宅では、

「傾いているかどうか」

だけではなく、

「なぜ傾いたのか」

まで確認することが重要です。

Q8. 家の傾きは直せる?

A. 原因によっては補修できます。

家の傾きを直す方法はいくつかあります。

たとえば、

・床下の補修
・基礎補強
・腐朽した木材の交換
・構造材の補強
・排水環境の改善
・地盤改良
・鋼管杭などによる補強
・ジャッキアップ

などです。

ジャッキアップとは、

建物を少しずつ持ち上げて、水平に近づける工事

です。

ただし、

建物を水平に戻せばそれで終わり

とは限りません。

原因が地盤にある場合は、地盤対策も行わなければ再び沈下する可能性があります。

Q9. 補修費はいくらくらいかかる?

A. 数万円で済むケースから、数百万円以上かかるケースまであります。

ここが「家の傾き」で特に怖いところです。

たとえば、

床下の部分補修や木材交換程度なら、比較的少ない費用で済む場合があります。

一方で、

・基礎補強
・建物のジャッキアップ
・杭による補強
・地盤改良

まで必要になると、

100万円単位の工事になることも珍しくありません。

小規模な戸建住宅でも、ジャッキアップ工事が100万〜300万円程度になる例があります。

さらに地盤改良や大規模な基礎補修が必要になれば、それ以上になる場合もあります。

だからこそ、

「傾きがあるから安く買える」

だけで判断するのは危険です。

500万円安く買えても、補修に500万円以上かかれば、必ずしもお得とはいえません。

🔍 中古住宅で傾きを見つけたらどうする?

おすすめなのは、

次の順番で確認することです。

① 自分で異常を確認する

・床
・建具
・窓
・壁
・基礎

などをチェックします。

② 傾きを測定する

水平器やレーザーなどを使って、実際の傾斜を測ります。

③ 建物全体を確認する

建築士などの専門家に依頼し、

建物全体の傾きや劣化状況を確認します。

④ 必要なら地盤も調べる

原因が地盤にある可能性があれば、

地盤調査まで行います。

⑤ 補修方法と費用を確認する

購入するのであれば、

「何を直す必要があるか」

「いくらかかるか」

まで確認してから判断します。

🏠 一番大切なのは「傾きの原因」

中古住宅を見ると、

つい、

「何mm傾いているか」

という数字だけが気になります。

でも本当に大切なのは、

「なぜ傾いているのか?」

です。

たとえば、

床の一部分だけが沈んでいる家と、

地盤ごと建物全体が沈んでいる家では、

意味がまったく違います。

同じ「6/1000」の傾きだったとしても、

原因によって修繕方法も費用も大きく変わります。

💡 家の傾きで覚えておきたいこと

「傾きがある家」が危険なのではありません。

本当に注意したいのは、

「原因が分からない家」

です。

原因が分かり、

補修方法も分かり、

費用も把握できている。

そこまで確認できれば、購入を検討できる住宅もあります。

反対に、

見た目はきれいでも、

傾きの原因が不明で、

今も不同沈下が進んでいる可能性がある住宅なら、慎重な判断が必要です。

まとめ

家の傾きは、

「少しでも傾いていたら危険」

ではありません。

確認したいのは、

👉 どのくらい傾いているか

👉 どこが傾いているか

👉 基礎や壁にも異常があるか

👉 原因は何か

👉 今も進行しているか

👉 補修できるか

👉 補修費はいくらか

です。

中古住宅では、

「傾きの数字」だけを見るのではなく、

「原因まで確認する」

ことが大切です。

内見中に、

「なんとなく違和感がある」

と感じたら、その感覚を軽視せず、契約前に専門家へ確認してみましょう。

家の傾きで本当に確認したいのは、

「何mm傾いているか?」

ではなく、

「なぜ傾いているのか?」

なのです。🏠

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