あえて名義を変えない選択

「親の名義のままだけど、特に困っていないんです。」
実はこのご相談、とても多いです。
名義変更=すぐやるべき、というイメージがありますが、状況によっては“あえて変えない”という判断が合理的な場合もあります。
ただし、それは条件がそろっている場合だけ。
今回は「放置」とは違う、“戦略的に変えない”という考え方を整理します📘
Q1. 名義を変えなくても問題が起きにくいのはどんな場合?
A. 親が健在で判断能力があり、相続関係が単純な場合です。
親が元気で意思能力が保たれていれば、契約や管理は原則問題なく行えます。
登記上の所有者が親である以上、法律行為も親が主体で進められます。
また、相続人が1人、または配偶者のみであれば、将来の手続も比較的スムーズです。
さらに、親子同居で無償使用している場合は、税務上「経済的利益なし」と判断されやすく、贈与税が課税されにくいとされています。
✓ 親が健在
✓ 相続人が少ない
✓ 利用関係が明確
この条件がそろっているかがポイントです。
Q2. 税金面でのメリットはありますか?
A. 条件次第で大きな優遇があります。
親の自宅を子が引き続き使用する場合、
「小規模宅地等の特例」により、土地評価額が最大80%減額(330㎡まで)される可能性があります。
また、親名義のまま第三者へ賃貸している場合、家賃収入は親の所得となります。
子が管理のみ担当しているのであれば、原則として贈与税の問題は生じません。
生前贈与をすると贈与税や登記費用が発生します。
「今は動かない」という判断が、税務上は合理的なケースもあるのです。
Q3. どんなときにリスクが高まりますか?
A. 親の判断能力が低下したときです。
認知症などで意思能力が失われると、
売却・賃貸・大規模修繕などの法律行為ができなくなります。
その場合、成年後見制度の利用が必要となり、
手続きは複雑で、時間も費用もかかります。
つまり、「名義を変えない」という選択は、
親の判断能力が維持されていることが前提条件なのです。
Q4. 相続が発生したらどうなりますか?
A. 相続登記は義務です。
2024年4月から、相続を知った日から3年以内に相続登記をしないと、10万円以下の過料の対象となりました。
名義を変えないまま相続が発生すると、
✓ 売却や担保設定ができない
✓ 相続人が増えて合意形成が難しくなる
✓ 共有名義がさらに細分化される
といった問題が起きやすくなります。
「今は困らない」が、
「将来は動けない」に変わる可能性があるのです。
Q5. 「変えない」は放置と同じですか?
A. いいえ。判断と放置は別です。
あえて名義を変えない場合でも、
✓ 遺言の作成
✓ 家族間での情報共有
✓ 将来の方針の確認
これらを行っていれば、十分に戦略的な選択といえます。
一方で、何も決めずに時間だけが過ぎると、
“共有が共有を生む”構造に入り、事実上動かせない不動産になることもあります。
まとめ🌱
「あえて名義を変えない」という選択は、
親が健在で、相続関係が明確で、管理体制が整っている場合には成立しやすい考え方です。
しかし、判断能力の低下や相続発生と同時に、リスクは一気に顕在化します。
大切なのは――
今は変えないとしても、“いつ動くか”を決めておくこと。
名義は、今の家族の状態を映す鏡です。
一度、ご家族で確認してみてはいかがでしょうか🏠✨
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