この不動産、残す?手放す?
― 感情ではなく「負担」で考えるという視点 ―
「親の家、どうする?」
いざ考え始めると、思い出や感情が先に立ち、判断が止まってしまうことがあります。
けれど生前整理では、まず感情をいったん横に置き、“負担の有無”で比較することが大切です。
管理の手間、将来の使い道、相続人への影響、そして費用面。
残す場合と手放す場合では、何がどのくらい違うのでしょうか?
今日は、判断の軸を整理してみましょう🏠
Q1. 持ち続けると、どんな負担がありますか?
A. 維持管理と税金という「継続的な負担」が発生します。
空き家であっても、換気・清掃・庭木の手入れなどの管理は必要です。
遠方なら移動の負担も増えます。
さらに、固定資産税(原則評価額の約1.4%)や都市計画税が毎年発生します。
建物が古くなれば修繕費、将来的には解体費(木造で100万円以上のケースも)も視野に入ります。
つまり「何も使っていない」状態でも、負担は止まりません。
Q2. 将来使う予定があれば、残す意味はありますか?
A. 明確な利用計画があれば、保有には合理性があります。
「子どもが住む予定がある」「賃貸に出す」「建て替える」など、具体的な活用予定があれば持ち続ける意味はあります。
ただし、賃貸活用には空室リスクや修繕対応などの管理負担も伴います。
全国平均で空室率は約2割前後といわれています。
“活かす覚悟”があるかどうか。
ここが大きな分岐点になります。
Q3. 相続人への影響はどう違いますか?
A. 不動産は「分けにくい財産」である点が最大のポイントです。
複数の相続人がいる場合、共有名義になることがあります。
共有状態では、売却や建替えには原則として全員の同意が必要です。
世代が進むと関係が希薄になり、話し合いが困難になるケースもあります。
これが「共有が共有を生む」構造です。
一方、生前に売却し現金化しておけば、分割は比較的スムーズです。
相続登記の負担や将来のトラブルも軽減できます。
Q4. 手放すときの費用はどのくらいかかりますか?
A. 一時的な費用は発生しますが、長期的負担は止まります。
売却時には仲介手数料(上限:売買価格×3%+6万円+消費税)や、印紙税、登記費用などがかかります。
利益が出れば譲渡所得税の対象にもなりますが、
一定条件を満たせば3,000万円特別控除が使える場合もあります。
一度手放せば、その後の固定資産税や管理費はゼロになります。
「一時負担」か「継続負担」か、どちらを選ぶかという視点です。
Q5. 売却以外の選択肢はありますか?
A. 寄付・国庫帰属・管理委託なども検討できます。
自治体の空き家相談窓口や専門家に相談することで、
売却以外の方法も見えてきます。
♦ 自治体への寄付(ただし受入れは限定的)
♦ 相続土地国庫帰属制度の利用(要件あり・負担金あり)
♦ 管理代行サービスへの委託
♦ 解体して更地活用
「売るか残すか」だけではなく、
“どう整理するか”という発想も大切です。
まとめ
不動産を「残す」「手放す」の判断は、
感情ではなく負担の有無で整理することが重要です。
✔ 管理の手間
✔ 将来の使い道
✔ 相続人への影響
✔ 費用の継続性
早く動くほど選択肢は広がります。
まずは、今ある不動産が
“未来への資産”なのか、“未来への負担”なのか。
一度、静かに見つめ直してみませんか?🏠✨
