登記簿の表題部・甲区・乙区とは?具体例を挙げて解説
「不動産の登記簿って、どこを見れば何がわかるの?」
住宅を買うとき、相続や贈与を受けたとき、登記簿謄本(登記事項証明書)を目にする機会があります。でもその中の「表題部」「甲区」「乙区」って、いまいちピンとこない…という声をよく聞きます。
この記事では、それぞれの区分が何を表し、どこを見れば「所有者」や「ローンの有無」がわかるのか、具体例を交えてわかりやすく解説します📝
不動産を安心して取り引きするための「読み方の基本」、ぜひ覚えておきましょう!
Q1. 表題部とは?
A. 不動産そのものの「基本情報」が記録された部分です
表題部には、その土地や建物が「どこにあるか」「どれくらいの広さか」「どういう建物か」などの物理的な情報が載っています。
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土地:所在地、地番、地目(宅地など)、地積(面積)、取得日など
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建物:家屋番号、種類(居宅など)、構造(木造2階建てなど)、床面積など
🧭 例えば、表題部を見れば「○○市○○町101番の宅地(300㎡)」ということがひと目でわかります。
Q2. 権利部(甲区)とは?
A. 所有者やその変遷が記録されている部分です
甲区には「所有権」に関する情報が記載されます。
つまり、その不動産の名義人(現・過去の所有者)とその変更履歴です。
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所有者の氏名と住所
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所有権取得の原因(売買、相続、贈与など)とその日付
🧾 例:「平成20年10月15日 所有権保存 登記名義人:A太郎」→「令和5年1月15日 所有権移転 登記名義人:B花子」
Q3. 権利部(乙区)とは?
A. 抵当権や賃借権など「所有権以外の権利」が載っています
乙区には、住宅ローンの抵当権や賃貸契約の登記など、他人がその不動産に持つ権利が記載されます。
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抵当権(住宅ローンの担保)
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根抵当権、地役権、地上権、賃借権など
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抵当権者(銀行など)、債務者、借入額、設定日など
🔍 例:「令和5年1月15日 抵当権設定 債務者:B花子/抵当権者:○○銀行/金額:3,000万円」
Q4. 各区を見れば何がわかるの?
A. 表題部→物件概要、甲区→所有者、乙区→ローンの有無がわかります
区分 | 内容 | 確認できること |
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表題部 | 不動産の物理的な情報 | 所在地・地番・面積・構造・種類など |
甲区 | 所有権の記録 | 現在の名義人・取得履歴(売買・相続など) |
乙区 | 所有権以外の権利の記録 | 抵当権(住宅ローン)・地役権など |
登記簿謄本をチェックすることで、名義確認やローンの有無を把握し、安全な不動産取引が可能になります。
✅ まとめ
登記簿は「不動産の履歴書」です。
表題部・甲区・乙区のそれぞれを見ることで、「物件の概要」「誰が持っているのか」「ローンはあるか」といった重要な情報がわかります。
これから不動産取引や相続などを控えている方は、登記事項証明書の内容に目を通してみましょう📄