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建物名義人が違う場合は?

2025.10.22

🏠「家は自分のもの」と思っていたのに、登記簿を見たら名義が違う…。
そんなケース、実は少なくありません。親の名義のまま相続登記をしていなかったり、
夫婦や親族間での名義変更が済んでいなかったりすることもあります。

登記簿上の名義人と実際の所有者が違うと、売却・解体・相続などの手続きで
思わぬトラブルに発展することも。今回は、建物名義が違う場合の考え方と対処法を
わかりやすく解説します✨


Q1. 登記名義人と実際の所有者が違うとどうなるの?

A. 登記名義人が法的な「所有者」として扱われます。

登記簿に名前が載っている人(登記名義人)が、法律上の所有者として扱われます(民法177条)。
たとえ実際に住んでいたり、相続して実質的に所有していたとしても、
登記をしていないと第三者に対して所有を主張できません。
たとえば相続で家を引き継いだのに登記をしないまま放置すると、
他の人に売却されてしまうおそれもあります。


Q2. 名義人の承諾が必要になるのはどんなとき?

A. 売買・贈与・解体・増築など、多くの手続きに関係します。

建物の売却・贈与・相続などで名義を変えるときは、
現名義人の印鑑証明付き委任状が必要です。
また、建物を解体したり増築したりする場合も、
登記名義人以外が勝手に行うことはできません。
借地上の建物では、地主の承諾も求められることがあります。
名義人が複数(共有)の場合は、全員の同意が必要です。


Q3. 名義人が協力してくれないときは?

A. 裁判で登記を移すことも可能です。

売買が成立しているのに、登記名義人が申請に協力しない場合、
「登記名義を移転せよ」という登記請求訴訟を起こすことができます。
勝訴すれば、その判決をもとに司法書士が単独で登記を申請できます。
相続で他の相続人が協力しない場合も、所有権確認訴訟で対応可能です。
ただし裁判には時間と費用がかかるため、
まずは関係者での話し合いと専門家(司法書士・弁護士)への相談が大切です。


Q4. 相続やローン中の建物はどうなる?

A. 相続登記は義務化、ローン中の名義変更は原則不可です。

2024年4月から、相続登記は10か月以内の申請が義務化されました。
放置すると10万円以下の過料となることがあります。
また、住宅ローンが残っている建物では、
銀行の承諾なしに名義を変えると契約違反となり、
一括返済を求められるリスクも。
親族間での「リレー返済」など特殊な方法を除き、
ローン中の名義変更は避けましょう。


Q5. 名義人が行方不明の場合はどうすれば?

A. 家庭裁判所の手続きで管理人を選任できます。

所在が不明な名義人がいる場合、戸籍調査で探しても見つからなければ、
家庭裁判所に申立てて「不在者財産管理人」や
新設の**所有者不明土地・建物管理制度(民法264条の2〜8)**を利用します。
裁判所が管理人を指定して登記・処分を進めることも可能です。


まとめ 📝

登記名義と実際の所有者が違うままでは、
売却・解体・相続などあらゆる手続きが止まってしまうことがあります。
まずは登記簿を確認し、名義が現状と一致しているかチェックしましょう。
もし違っていたら、早めに司法書士など専門家へ相談を。
🏡 大切な財産を守る第一歩は、「名義の確認」から始まります。

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