古い未登記建物は相続できる?
🏠登記されていない古い家を相続するとき、どうすればいいの?
たとえば「祖父母が建てたけれど登記していない家」が残っている場合、名義がはっきりせず、売却や建替えが進まない…というケースがよくあります。
こうした未登記建物も相続の対象になりますが、手続きをしないと「法的に存在しない建物」と扱われてしまいます。
そこで必要になるのが、「表題登記」と「相続登記」です。今回はその流れと注意点をわかりやすく紹介します✨
Q1. 未登記建物も相続の対象になるの?
A. できますが、まず登記簿に載せる手続きが必要です。
未登記建物とは、登記簿に記載のない建物のこと。
たとえ固定資産税が課税されていても、**登記簿に存在しない限り「所有権を証明できない」状態です。
そのため、相続前にまず表題登記(建物の基本情報を登録)**を行い、登記簿上に建物を「存在」させることが第一歩です。
Q2. 相続の手続きはどんな流れになりますか?
A. 主な流れは3段階です。
① 表題登記:土地家屋調査士が現地測量や図面作成を行い、法務局で建物の所在地・構造・面積を登録。
② 所有権保存登記:建物が登記簿に載ったら、まず被相続人(亡くなった方)の名義にします。
③ 相続登記(所有権移転登記):相続人全員の同意をもとに、相続人の名義に変更。
この3段階を経て、ようやく正式に相続が完了します。
Q3. どんな書類を用意すればいい?
A. 相続関係と建物の証明資料の両方が必要です。
・被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本・印鑑証明書
・遺産分割協議書(誰が建物を相続するか明記)
・固定資産税納税通知書や課税明細書
・建物の平面図や求積図など
これらは法務局の登記手続きのほか、市役所での評価証明取得にも使います。
Q4. 手続きを放置するとどうなるの?
A. 登記義務違反で過料の対象になることも。
2024年4月から相続登記は義務化され、相続開始から3年以内に登記を済ませないと、10万円以下の過料となる場合があります。
また、未登記のままだと売却や融資、建替えができないなど、後々大きな不便が生じます。
早めに専門家(司法書士・土地家屋調査士)に相談するのが安心です。
Q5. 費用はどのくらいかかりますか?
A. 合計でおおむね10〜15万円が目安です。
・表題登記:土地家屋調査士報酬 8〜12万円程度
・所有権保存登記+相続登記:司法書士報酬 2〜3万円程度
・登録免許税:建物評価額×0.4%
これに加えて、戸籍・評価証明書などの取得費が数千円かかります。
まとめ 🌿
古い未登記建物も相続できますが、登記簿に載せることが前提です。
固定資産税台帳に名前があっても、それだけでは法的な所有証明になりません。
「表題登記→保存登記→相続登記」の順に進め、早めの手続きを意識しましょう。
相続登記の義務化も始まった今こそ、身近な建物の登記状況を確認してみてください🏡
